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物が二重三重に見える時に考えられる疾患
物が二重三重に見える状態は「複視」と呼ばれます。複視の症状には、片目で見た時に二重三重に見える「単眼性複視」と、両目で見た時に二重三重に見える「両眼性複視」の2種類があります。いずれの場合でも、複視は目の異常の予兆です。複視の症状を自覚した際は、早めの眼科受診をお勧めします。
単眼性複視―片目で見た時に二重三重に見える―
白内障
白内障は水晶体が白く濁る疾患です。水晶体は眼球内でレンズの役割を果たしており、その透明性が失われることで、視界に悪影響を及ぼします。症状が軽度であれば点眼薬や内服薬で緩和できることもありますが、視力の低下を元に戻すことは難しいため、早めの治療が重要です。進行した白内障の場合は手術が必要になることもあります。
主な症状
- 視界のかすみ(霧がかかったように見える)
- 視力の低下
- 二重や三重に物が見える
- 光がまぶしく感じる
- 夜間、街灯などの光に輪が掛かって見える(光輪視)
- 明るい場所では視界が悪くなる
- 急にメガネが合わなくなる など
乱視(屈折異常)
乱視は屈折異常の1つで、角膜や水晶体の異常が原因となり、特定の方向にピントが合わない状態のことを指します。目は外から取り入れた光を1点に収束させることで、正確に対象物を捉えています。しかし、乱視になると光が網膜に適切に焦点されなくなるので、物の見え方に様々な異常が生じます。
主な症状
- 物が二重三重に見える
- 視界がぼやける
- 光がまぶしく感じる
- 目が疲れやすい など
老眼(老視)
私たちの目はピントを自動で調節する機能を持っていますが、加齢によってこの機能が低下することがあります。加齢によってピント調整機能が低下した状態が「老眼」で、一般的には「老眼」とも呼ばれます。
両眼性複視~両目で見た時に二重三重に見える~
眼位異常(目の位置のずれ)
両眼が同じ方向を向いておらず、左右の視線が合わない状態のことを「斜視」と呼びます。両目で正しく物を見ることができないため、立体感をつかみにくかったり、片側の視力が正常に発達しなかったりします。小児の病気のようなイメージがありますが、大人の斜視も存在します。
主な症状
- 物が二重三重に見える
- 像が重なって見える
- 物を立体的に捉えられない(両眼視機能の低下)
- 目が疲れやすい など
眼球運動障害
脳から目を繋ぐ神経に問題が生じると、眼球を動かす筋肉に障害が起こることがあります。このために眼球が正しく動かなくなり、物が二重三重に見える、視界がずれるなどの様々な症状が引き起こされます。重篤な脳疾患が原因で眼球運動が生じていることもありますので、適切な診断が行われないと命にかかわることもあります。
主な症状
- 物が二重三重に見える
- 視界がぼやける
- 目の周囲の痺れ
- 視線を移した際にピントが合いにくい
- 瞼が開きにくい など